ひとりでアイデア創出のためのひらめきのコツ




来週までに良いアイデアを出さなければならない。

いま発生している問題を突破するための方法がわからない。

こういう場面はあっても、なかなか他人に相談できずに困る場面ってどうしてもありますよね。余裕があればチームでブレインストーミングをするのが早いのですが、ひとりでやりきる経験も重要でしょう。今回は、ひとりでも素晴らしいアイデアを思いつくことができる、私が実際に使っているアイデア創出法についてお教えします。

 

使用するのはTRIZです

TRIZって聞いたことありますでしょうか。

TRIZ(トゥリーズ)とは

TRIZ とは、旧ソ連海軍の特許審議官アルトシュラーが膨大な特許情報を分析した結果より導き出した一連の発明の法則をまとめたもので、「システムの理想性向上を目指すために、技術進化の原理に基づき、革新的アイデアを創出する合理的方法論」。

引用:産業能率大学 総合研究所

発明問題解決理論として世界的に有名なこの思考方法なのですが、これを知っておくだけで自分の中に多様な意見をもつ仲間を持ったような感覚になります。

私自身、アイデアの創造は独り言の中にあると感じています。言葉にはならないけれどふと思いつく、ある種の「勘」の中に素晴らしい解決策があり、ずいぶんと助けられてきました。

実は、昔会社員時代に発明した技術とそれに関連する特許はすべてTRIZをもとにして考えたものです。10年間で国内・海外含めると50件以上の特許を出願して、審査中で会社を辞めてしまったのですべてを把握しているわけではないのですが、国内の特許登録率は80%近くあったと思います。

このTRIZを用いた技術開発と知財化は、技術者であれば知っておいて損のない方法だと思ってます。

また、使用できるものは材料などの物の発明だけでなく、サービスにも応用できます。(今回はモノの開発に特化して書きますね)

新商品開発に使えるTRIZ

自動車部品、家電、材料開発、スマホ、アプリ開発など、新しいモノの開発のアイデア創出において使用しやすいTRIZの発明原理を紹介します。

独り言をするときに、使いやすい発明原理について問いかけをしていくと、自然に「こうしたらどうだろう」が出てくるから不思議。もしひとつの発明原理でアイデアが降ってこない場合には、あまり悩まずに次の物をどんどん問いかけしていきましょう。

発明原理のひとつずつが、一人の人格を持つようにアイデアを教えてくれます。正に自己ブレインストーミングとも呼べる、自分の脳みそを信用し活用する思考方法になっていると思います。

今回は私がお世話になった発明原理を紹介しますね。

分割原理(Segmentation)

本来あるべき状態から、2つ以上に分けることによって新たな機能を発生させるという発明の方法です。例えば

このカニ用のハサミが理解しやすいと思います。

本当はつながっていた方が便利だと思われるハサミの2つの刃をあえて分けられるようにすることで、カニの汁で汚れてしまったハサミを綺麗に洗うことができるようになります。

これも、分割原理です。ディスポシリンジってご存知?最近は注射張りと注射器をそれぞれ分けられている商品が医療関係でも使われているんです。これでしたら、使用後に消毒の必要性もないですし、針とシリンジ部分を分別して捨てることができるので、皆が喜ぶ商品ですよね。

工業プロセスに携わっている方の場合には、今一工程で行っていることをあえて工程を増やすことで新たに制御できる因子はないのかという考え方もできますね。

局所性質原理(Local quality)

ものの一部分のみの性質、材質を変化させておく発明原理。

実は空き缶のプルタブは非対称原理から発明されているんです。昔のプルタブからすると最近のものは取り外しできないので組み合わせの原理(Merging)とも取れますが、今回着目するのは飲み口です。

実は、飲み口は非対称に作られているんです。

これによって、力をかけた時に応力集中が片側にかかって力を入れなくても簡単に開けられるようになっているんです。

先取り反作用原理(Preliminary Anti-Action)

先取り反作用原理は、本来ネガティブにとらえられるような影響を先に与えておくことで、その後の変化を小さくしたり特性を上げたりする発明原理です。

例としては、タオルがわかりやすいかもしれません。

タオルって買ってすぐの時には、なぜか水吸ってくれないですよね。一度洗うとちゃんと水を吸うけれど、今度は生地が縮んでしまうでしょう。これを解決するために、先に生地だけを洗ってからタオルの形に切ってあげればどうでしょう。

使い始めから水を吸ってくれるでしょうし、お客様にわたってからタオルが縮むことがないので「縮まないタオル」として販売することも可能になりますよね。これが新しい商品のアイデアになったります。

あえてネガティブを受け入れる。なにか心の話にもつながりそうですね☆

 

まとめ

以上の今回は最も使えるものとして3つの発明原理について紹介しました。材料開発、新商品開発とモノの発明をしている方は、少なくとも使って欲しいと思います。

私のいた分野とは大きく異なる方は、もっと相性が良い発明原理があるかもしれません。すべて一度目を通して、自分なりの発明原理のチェックシートを作ってあげると成果を上げやすいと思います。

わかりやすい本は、











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